ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ヘアリースイレン抽出物と主成分ケルセチン-3-O-メチル-3′-O-β-キシロピラノシドの血管弛緩効果と降圧効果

Vasorelaxant and hypotensive effects of an ethanolic extract of Nymphaea pubescens and its main compound quercetin 3-methyl ether 3′-O-β-xylopyranoside

要旨:
伝統医療にてスイレンは内皮不全の治療に用いられているが、その作用メカニズムを解明した。ラットの腸間膜動脈輪を用いるex vivo実験にて、ヘアリースイレン(Nymphaea pubescens)抽出物とその主成分ケルセチン-3-O-メチル-3′-O-β-キシロピラノシドの弛緩効果は、EC50値にて0.08±0.01 mg/mLおよび42.8±6.3 μMであった。両者とも、ニトロプルシドナトリウムが誘発した弛緩を増強し、受容体作動性カルシウムチャネルを阻害した。左頸動脈にカテーテルを挿入した高血圧のモデルラットにて、両者とも降圧効果を示し、ポジコンに用いたニフェジピンと同等であった。