ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

イソラムネチンはKDM5B/HtrA2シグナル伝達経路を調節して、重症急性膵炎におけるミトコンドリア損傷を軽減する

Isorhamnetin Alleviates Mitochondrial Injury in Severe Acute Pancreatitis via Modulation of KDM5B/HtrA2 Signaling Pathway

要旨:
膵腺房細胞をタウロコール酸ナトリウム(STC)で刺激して、重症急性膵炎の細胞モデルとした。イソラムネチンの投与は、ミトコンドリアにおける活性酸素種の生成を阻害して、ATP産生とミトコンドリア膜電位の維持に寄与した。その結果、膵腺房細胞の酸化的損傷と壊死を顕著に抑制した。イソラムネチンによる保護効果は、HtrA2(ミトコンドリア膜間腔に存在するセリンプロテアーゼ)の調節が中心的な役割であることを見出した。イソラムネチンはKDM5Bに直接作用してその働きを阻害して、STCが減少したHtrA2の発現を回復した。