ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ネットワーク薬理学と実験に基づく、当帰補血(Danggui Buxue)煎じ薬による心筋梗塞の治療メカニズム

Mechanism of Danggui Buxue Decoction in the treatment of myocardial infarction based on network pharmacology and experimental identification

要旨:
当帰補血(danggui buxue)煎じ薬は中医学にて心筋梗塞の治療に用いられているが、その作用メカニズムをネットワーク薬理学で明らかにした。各種データベースより取得した当帰補血と心筋梗塞に共通する標的遺伝子213種を対象に、京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)および遺伝子オントロジー解析を行った。その結果、PI3K/AKTシグナル伝達経路が当帰補血の治療標的であり、AKT1・ERK2・カスパーゼ-9を標的蛋白質と特定した。分子ドッキングの結果、主成分であるケルセチン・ケンフェロール・イソラムネチンは、3標的蛋白質に高い親和性を示した。心筋梗塞のモデルラットに当帰補血を投与すると、心組織における3標的蛋白質の発現を顕著に低下した。