ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはα2δ-1とNMDAR1との相互作用を阻害して、予測不可能で慢性的な軽度ストレスがラットに誘発したうつ病様行動を軽減する

Quercetin alleviates chronic unpredictable mild stress-induced depression-like behavior by inhibiting NMDAR1 with α2δ-1 in rats

要旨:
Vivo: 予測不可能で慢性的な軽度ストレスで惹起したうつ病のモデルラットに、ケルセチン(20, 40, 60 mg/kg)を投与した。ケルセチンは用量依存的に、スクロース嗜好試験・強制水泳試験・尾懸垂試験・オープンフィールド試験の各スコアを改善してうつ様行動を軽減した。特に高用量(60 mg/kg)のケルセチンは、ポジコンのフルオキセチン(既存抗うつ薬)と同等の改善効果を示した。ケルセチンは、視床下部におけるカルシウムチャネルα2δ-1とN-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)の発現を低減して、両者の結合を阻害した。Vitro: コルチコステロンで刺激したPC12細胞にて、ケルセチンはα2δ-1とNMDARの発現を下方調節した。しかし、α2δ-1をノックアウトしたPC12細胞ではケルセチンの効果が打消され、α2δ-1を標的としていることを示唆した。