ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

益腎化痰活血(Yishen Huatan Huoxue)煎じ薬とケルセチンは、多嚢胞性卵巣症候群における脱落膜化の機能不全を改善する: 臨床と実験を組合せた包括的な研究

Yishen Huatan Huoxue decoction and quercetin ameliorate decidualization dysfunction in polycystic ovary syndrome: A comprehensive investigation combining clinical trial and experimental studies

要旨:
臨床: 多嚢胞性卵巣症候群の患者660名を220名ずつ3群に分け、益腎化痰活血(Yishen Huatan Huoxue)単独・ジドロゲステロン単独・両者の併用それぞれによる治療を行った。併用群は単独群と比べて早期流産率が顕著に減少した(P=0.042)。非臨床: 多嚢胞性卵巣症候群のモデルマウスに益腎化痰活血を投与すると、糖代謝障害(HOMA-IRおよび経口グルコース負荷試験)・性ホルモンレベル(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン・テストステロンの減少、エストラジオールの増大)・発情周期を大幅に改善した。ヒト由来子宮内膜線維芽細胞(T-HESCs)をインスリンで刺激して、多嚢胞性卵巣症候群に見られる高インスリン血症の細胞モデルとした。益腎化痰活血の主成分であるケルセチンを投与すると、IRS1/2とGLUT4の発現を回復して、高インスリンに起因する脱落膜化機能不全の軽減を示唆した。