食事におけるケルセチンの摂取量が多いほど、炎症性腸疾患患者の有害事象のリスクが低い: 前向きコホート研究
Higher dietary quercetin intake is associated with lower risk of adverse outcomes among individuals with inflammatory bowel disease in a prospective cohort study
- 出典:
- The Journal of Nutrition
- 2024
- 154
- 1861-1868
- DOI:
- 10.1016/j.tjnut.2024.04.025
- 要旨:
- 炎症性腸疾患の患者2293名(内訳: クローン病764名、潰瘍性大腸炎1529名)を対象とする、ケルセチンの摂取と有害事象との関連を検証した、前向きコホート研究。食物摂取頻度質問票(FFQ)と栄養素データベースより、ケルセチンの摂取量を推定した。平均9.6年の追跡調査にて、193件の腸切開と176件の死亡を確認した。ケルセチン摂取量の順序で4等分した階層の最上層は、最下層と比べて腸切開のリスクが低く(ハザード比: 0.46, 95%信頼区間: 0.28, 0.76)、炎症性腸疾患による死亡(ハザード比: 0.53, 95%信頼区間: 0.33, 0.83)と関連していた。ケルセチン摂取と腸切開の逆相関は、クローン病では一致したが(ハザード比: 0.30, 95%信頼区間: 0.12, 0.78)、潰瘍性大腸炎では一致しなかった(ハザード比: 0.58, 95%信頼区間: 0.32, 1.07)。一方、ケルセチンと死亡率の逆相関は、クローン病(ハザード比: 0.37, 95%信頼区間: 0.15, 0.92)と潰瘍性大腸炎(ハザード比: 0.55, 95%信頼区間: 0.31, 0.95)の両方で一致した。