ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

精液増量剤のケルセチンは、交雑種カモリヤギの凍結融解精子の品質と生殖能力を改善する

Quercetin in semen extender improves frozen-thawed spermatozoa quality and in-vivo fertility in crossbred Kamori goats

要旨:
鹿の精液を凍結保存/解凍した際の、精子の質に及ぼすケルセチンの影響を調査した。ケルセチンの添加は、解凍後における精子の運動性・運動速度・側頭部の振幅・細胞膜の完全性・生存率を対照と比べて顕著に改善した。ケルセチンはまた、精液中のSOD・カタラーゼ・アスコルビン酸ペルオキシダーゼを増大し、マロンジアルデヒドは減少して抗酸化作用を発揮した。5 μMのケルセチンを含む精液を用いると、30頭中24頭(80%)のヤギが妊娠した。一方、対照群では30頭中18頭(60%)が妊娠し、有意差には及ばなかったが(P=0.079)改善傾向にあった。