ケルセチンはミクログリアのM1/M2分極を調節して、アテローム性動脈硬化症における神経細胞のパイロトーシスとフェロトーシスを阻害する
Quercetin Inhibits Neuronal Pyroptosis and Ferroptosis by Modulating Microglial M1/M2 Polarization in Atherosclerosis
- 出典:
- Journal of Agricultural and Food Chemistry
- 2024
- 72
- 12156–12170
- DOI:
- 10.1021/acs.jafc.4c01134
- 要旨:
- Vivo: アポリポ蛋白質E(APOE)が欠損したアテローム性動脈硬化症のモデルマウスに高脂肪食を投与すると、脳の病変と認知障害を誘発した。ケルセチンの同時投与はモリスの水迷路のスコアを向上して、空間的な学習と記憶の有意な改善を示唆した。なお、高脂肪食による新奇探索試験のスコアの差はなく、非空間的な認知能力の損失はない。アテローム性動脈硬化症は脳に鉄を蓄積し、iNOSの上昇とArg-1の減少をもたらしたが、これらもケルセチンが逆転した。よって、アテローム性動脈硬化症はミクログリアをM1極性化したが、ケルセチンはM2極性化した。Vitro: クエン酸鉄アンモニウムとox-LDLで処置したミクログリアのM1/M2不均衡・鉄の遊離・活性酸素種の上昇は、ケルセチンが軽減した。M1型ミクログリアにはパイロトーシスとフェロトーシスが活性化したが、ケルセチンはM2型へ極性化して逆転した。