ケルセチンは腸内細菌叢-短鎖脂肪酸-炎症シグナル伝達軸を調節して、卵巣摘出したラットの骨減少を改善する
Quercetin ameliorates bone loss in OVX rats by modulating the intestinal flora-SCFAs-inflammatory signaling axis
- 出典:
- International Immunopharmacology
- 2024
- 136
- 112341
- DOI:
- 10.1016/j.intimp.2024.112341
- 要旨:
- 卵巣摘出で惹起した骨粗鬆症のモデルラットに、ケルセチンを投与した。その結果、大腿骨にて骨ミネラル密度・骨梁幅・骨量が増加し、骨梁間隔は減少して骨粗鬆症を顕著に改善した。ケルセチンはまた、プロバイオティクス菌と短鎖脂肪酸を増大し病原性の細菌は減少して、腸内細菌叢を整えるとともに、血中のIL-1βとTNF-αを減少して抗炎症作用を示した。抗生物質で腸内細菌叢を死滅した卵巣摘出ラットは、ケルセチン投与にもかかわらず、骨粗鬆症が改善されなかった。また、ケルセチンを投与したラットの腸内細菌叢を移植したラットでは、骨粗鬆症が改善された。以上の結果は、ケルセチンによる腸内細菌叢-短鎖脂肪酸-炎症シグナル伝達軸の調節を示唆した。