非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および心房細動の患者における、ウルソデオキシコール酸とケルセチンの肝機能および全身性炎症に対する相乗効果
Synergistic effects of ursodeoxycholic acid, and quercetin on liver function and systemic inflammation in non-alcoholic fatty liver disease and atrial fibrillation patients
- 出典:
- Gastroenterologìa
- 2024
- 58
- 102–108
- DOI:
- 10.22141/2308-2097.58.2.2024.602
- 要旨:
- 心房細動を併発した非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の患者を対象とする、標準療法(生活習慣の見直しとビタミンEの摂取)に、ウルソデオキシコール酸とケルセチンの摂取を追加した効果を検証した、臨床研究。被験者127名を無作為に3群に分け、42名は標準療法のみ行い、44名は標準療法に加えてウルソデオキシコール酸を摂取し、残る41名は標準療法に加えてウルソデオキシコール酸とケルセチンとの組合せを摂取した。なお、ウルソデオキシコール酸とケルセチンの摂取量は、記載がない。治療期間は3か月とし、肝機能の改善を主要評価項目に設定し、副次評価項目は全身性炎症と心房細動の改善とした。3群とも血中のALT・AST・総ビリルビン・GGT・ALPをベースラインから顕著に減少して(P<0.001)、肝機能を改善した。全ての評価項目が、組合せ摂取の追加 > ウルソデオキシコール酸の単独摂取の追加群 > 標準療法群の順に良好な改善結果となった。全身性炎症の指標であるC反応性蛋白質と、NAFLDと心房細動に共通する指標(ガレクチン-3・フィブロネクチン・sST2)にも、同様の傾向が見られた。すなわち、3群とも顕著な減少を認め(P<0.001)、組合せ摂取の追加 > ウルソデオキシコール酸の単独摂取の追加群 > 標準療法群の順序であった。