ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

生体適合性を有するキトサン/デンプン/グラフェン量子ドット/二酸化チタン系ナノ複合材料: 刺激応答性の多孔質ナノキャリアでケルセチンを長期送達して、肺癌を治療する

Biocompatible Chitosan/Starch/Graphene Quantum Dots/Titanium Dioxide Nanocomposite: A Stimuli-Responsive, Porous Nanocarrier for Prolonged Quercetin Delivery in Lung Cancer Treatment

要旨:
キトサンとデンプンより架橋構造を有するヒドロゲルを合成し、これにグラフェン量子ドットと二酸化チタンを加えると多孔質の性質を獲得した。得られたナノ複合材料をキャリアとする、ケルセチン製剤を設計した。ナノ製剤をpH 5.4および7.4の条件に晒したところ、pH 5.4にてケルセチンを放出した。37および42℃では後者でケルセチンが放出され、pHおよび熱の二重刺激応答性を明らかにした。ヒト由来肺癌細胞株A549に作用すると、ケルセチン単独投与時と比べて顕著に細胞毒性が向上した。