デンプンアルデヒド-ケルセチン複合体をキトサンコーティングフィルムに組込んだ多機能性の果物包装の開発
Development of multifunctional fruit packaging by incorporating starch aldehyde-quercetin conjugate into chitosan coating films
- 出典:
- Food Hydrocolloids
- 2024
- 157
- 110320
- DOI:
- 10.1016/j.foodhyd.2024.110320
- 要旨:
- デンプンアルデヒド(デンプンを過ヨウ素酸で処理して、1,2-ジオール部分を酸化的に切断して得たジアルデヒド)とケルセチンを化学的に縮合した。得られたデンプン-ケルセチン結合体は、DPPHおよびABTSラジカル消去能を有し、黄色ブドウ球菌に抗菌活性を示した。複合体はキトサンフィルムと水素結合で相互作用して、フィルム構造のコンパクト性を増強した。複合体を取込んだキトサンフィルムは、キトサンのみの場合と比べて、光遮断性・水蒸気遮断性・熱安定性・引張強度・抗酸化力・抗菌能力が向上した。その結果、柑橘類の重量・硬度・有機酸の低下を遅らせることができ、保存期間を延長した。