ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

DMBAがラットに誘発した乳癌の化学療法および光温熱療法における、葉酸を標的とするケルセチンを担持したプラズモン銀ナノ粒子

Quercetin loaded folate targeted plasmonic silver nanoparticles for light activated chemo-photothermal therapy of DMBA induced breast cancer in Sprague Dawley rats

要旨:
ケルセチンを担持した銀ナノ粒子を合成し、葉酸受容体を標的とする製剤を設計した。従来の銀ナノ粒子製剤とは異なり、得られたケルセチン-銀ナノ粒子は、近赤外領域(>800 nm)で堅牢なプラズモン調整の可能性を示した。ヒト由来乳癌細胞株MDA-MB-231にケルセチン-銀ナノ粒子を投与し、細胞内への取込みを確認した後、近赤外レーザーを照射した。化学療法を補完する光温熱療法として、アポトーシスの増強を認めた。発癌性物質7,12-ジメチルベンズ[a]アントラセン(DMBA)で惹起した乳癌のモデルラットにケルセチン-銀ナノ粒子を投与し近赤外レーザーを照射すると、それぞれの単独処置と比べて腫瘍の成長を顕著に抑制した。