ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

デンプンアルデヒド-ケルセチン複合体を大豆蛋白質マトリックスに組込んだ活性型包装フィルム

Active Packaging Film Developed by Incorporating Starch Aldehyde–Quercetin Conjugate into SPI Matrix

要旨:
デンプンアルデヒド(デンプンを過ヨウ素酸で処理して、1,2-ジオール部分を酸化的に切断して得たジアルデヒド)とケルセチンを化学的に縮合した。得られたデンプン-ケルセチン結合体を組込んだ大豆蛋白質マトリックス(SPI/DAS-QR)と、結合体でないデンプンアルデヒドとケルセチンを組込んだ大豆蛋白質マトリックス(SPI/DAS/QR)の2通りを調製した。SPI/DAS-QRの方がSPI/DAS/QRに比べてより優れたDPPHおよびABTSラジカル消去能を示し、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を示した。複合体はキトサンフィルムと水素結合で相互作用して、フィルム構造のコンパクト性を増強した。食品保存の機能(ジャガイモの外観の維持し・重量の減少の遅延・マロンジアルデヒドの蓄積の遅延・微生物汚染の減少)もSPI/DAS-QRが優れており、デンプンアルデヒドとケルセチンとの縮合の重要性を物語っている。