チロシンフェノールリアーゼ阻害剤ケルセチンは、マウスの糞便中のフェノール濃度を低下する
Tyrosine phenol-lyase inhibitor quercetin reduces fecal phenol levels in mice
- 著作名:
- Takuma Kobayashi
- Shiori Oishi
- Misaki Matsui
- Kodai Hara
- Hiroshi Hashimoto
- Kenji Watanabe
- Yasukiyo Yoshioka
- Noriyuki Miyoshi
- 出典:
- PNAS Nexus
- 2024
- 3
- 265
- DOI:
- 10.1093/pnasnexus/pgae265
- 要旨:
- チロシンフェノールリアーゼ(TPL)とは、腸内細菌が発現する、チロシンをフェノールとピルビン酸に分解する酵素である。生成するフェノールとその硫酸抱合体は、尿毒症の原因物質である。ケルセチンはTPLを阻害し、そのKi値は19.9 μMであった。TPLが発現したモルガン菌とCitrobacter koseriにて、ケルセチンはフェノールの産出を顕著に抑制した。チロシンを5%含む餌で飼育したマウスにケルセチンを投与すると、糞便中のフェノール濃度が大幅に低下した。