ネットワーク薬理学・分子ドッキング・in vitro検証を統合して、防已黄耆湯(Fangji Huangqi decoction)による関節リウマチの治療メカニズムを探る
Network Pharmacology-Based Strategy Integrated with Molecular Docking and In Vitro Experimental Validation to Explore the Underlying Mechanism of Fangji Huangqi Decoction in Treating Rheumatoid Arthritis
- 出典:
- ACS Omega
- 2024
- 9
- 31878–31889
- DOI:
- 10.1021/acsomega.4c03495
- 要旨:
- 防已黄耆湯(Fangji Huangqi decoction)は中医学にて関節リウマチの治療の治療に用いられているが、そのメカニズムは不明である。各種データベースから取得した、防已黄耆湯と関節リウマチに共通する遺伝子は300種であった。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)および遺伝子オントロジー解析の結果、防已黄耆湯の標的としてMAPK経路を特定し、そのコア蛋白質としてJUN・MAPK1・p38・MAPK3・ERK・JNK3・p68の7種を特定した。コア蛋白質と構成成分との親和性を分子ドッキングで検証した結果、1) JUN-リコカルコンA、2) p38-ケルセチン、3) ERK-リコカルコンAが上位にランクされた。リポ多糖で刺激したRAW264.7細胞に防已黄耆湯を投与すると、炎症メディエーター(TNF-α・ΙL-1β・IL-6・iNOS・COX-2)を低減するとともに、MAPK/NF-κBシグナル伝達を抑制した。