ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはcircHIAT1/miR-19a-3p/CADM2軸を調節して、乳癌における上皮間葉転換を阻害し、CDK4/6阻害剤耐性を逆転する

Quercetin inhibits the epithelial-mesenchymal transition and reverses CDK4/6 inhibitor resistance in breast cancer by regulating circHIAT1/miR-19a-3p/CADM2 axis

要旨:
ヒト由来乳癌細胞株MCF-7およびMDA-MB-231にて、circHIAT1の過剰発現は上皮間葉転換を阻害して、遊走能力を弱めた。circHIAT1はmiR-19a-3pと直接作用して、その活性を抑制して、CADM2の発現を減少した。ケルセチンは両乳癌細胞の遊走と浸潤を抑制したが、その根底にcircHIAT1/miR-19a-3p/CADM2軸の調節があった。すなわち、上皮間葉転換と遊走を阻害するための最上流に存在するcircHIAT1の発現を、ケルセチンが促進したことになる。パルボシクリブ(CDK4/6阻害剤)耐性のMCF-7を移植したマウスにて、ケルセチンは同剤による再感作を実現した。