ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アテローム性動脈硬化症にてケルセチンは、KLF4が仲介する血管平滑筋細胞のマクロファージ様細胞への表現型の切替を弱める: JAK2/STAT3経路の重要な役割

Quercetin Attenuates KLF4-Mediated Phenotypic Switch of VSMCs to Macrophage-like Cells in Atherosclerosis: A Critical Role for the JAK2/STAT3 Pathway

要旨:
Vivo: アポリポ蛋白質E(APOE)が欠損したマウスに高脂肪食を投与して、アテローム性動脈硬化症を誘発した。ケルセチンの投与は、血管における脂肪の蓄積を軽減して、病変部位を縮小した。Vitro: ケルセチンは血管平滑筋細胞にて、p-JAK2・p-STAT3・KLF4が共局在する状態を軽減した。ケルセチンはまた、酸化型LDLを負荷した血管平滑筋細胞にて、KLF4が媒介する表現型の切替を阻害した。KLF4作動薬の存在下ではケルセチンの作用が打消され、JAK2阻害剤はケルセチンと同様に、血管平滑筋細胞の切替と脂肪蓄積を阻害した。従って、アテローム性動脈硬化症に対するケルセチンの作用機序は JAK2/STAT3経路の抑制である。