ケルセチンはフェロトーシスとキュプロトーシスを阻害して、シスプラチンによる急性腎障害を軽減する
Quercetin Attenuates Acute Kidney Injury Caused by Cisplatin by Inhibiting Ferroptosis and Cuproptosis
- 出典:
- Cell Biochemistry and Biophysics
- 2024
- 82
- 2687–2699
- DOI:
- 10.1007/s12013-024-01379-6
- 要旨:
- ヒト腎近位尿細管上皮細胞HK-2をシスプラチンで刺激して、急性腎障害の細胞モデルとした。シスプラチンはフェロトーシスとキュプロトーシス(過剰な銅がミトコンドリア酵素を凝集する細胞死)を誘導したが、ケルセチンの投与で軽減した。ケルセチンは、マロンジアルデヒドと活性酸素種を軽減してフェロトーシスを抑制するとともに、銅イオン・ピルビン酸・HSP70を減少してキュプロトーシスを阻害した。Vivo: シスプラチンで惹起した急性腎障害のモデルマウスにケルセチンを投与すると、フェロトーシス抑制因子(SLC7A11・GPX4)とキュプロトーシス抑制因子(ATP7B・GLS)の発現が顕著に上昇した。