ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはPI3K/Akt/mTOR経路を介して、ラットの複数の臓器にてオートファジーを制御する

Mechanism of action of quercetin in regulating cellular autophagy in multiple organs of Goto-Kakizaki rats through the PI3K/Akt/mTOR pathway

要旨:
非肥満性のII型糖尿病のモデルラット(後藤-柿崎ラット)にてケルセチンは、用量依存的に血糖値・中性脂肪・総コレステロールを低減した。ケルセチンは、血中のALT・AST・総蛋白質・尿素窒素を低減して、肝および腎保護効果を発揮し、脾重量の低下を改善した。ケルセチンはまた、肝および脾組織のBeclin-1・LC3A・Pink-1の発現を上昇し、PI3K・Akt・mTORの発現とリン酸化を阻害した。よってケルセチンの臓器保護作用の本質は、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達の抑制に基づくオートファジーの活性化である。