多重分光法と分子ドッキングによる、ケルセチンのα-アミラーゼ阻害活性
Inhibition of α-amylase activity by quercetin via multi-spectroscopic and molecular docking approaches
- 出典:
- Food Bioscience
- 2024
- 61
- 104951
- DOI:
- 10.1016/j.fbio.2024.104951
- 要旨:
- ケルセチンはα-アミラーゼの混合型阻害剤として作用し、結合様式により動力学的な挙動が変化した。Ksv値(Stern-Volmer定数)は、298 Kにて9.56±0.63 ×10^3 L/molであったが、318 Kでは5.56±0.48 ×10^3 L/molに低下した。蛍光スペクトルは、ケルセチンによるα-アミラーゼの構造変化を示唆し、トリプトファンとチロシン残基の周辺の疎水性微小環境が変動した。分子ドッキングの結果は、水素結合(Asp197およびGln63)と疎水基相互作用(Ala198、Leu165、Trp59)がケルセチン/α-アミラーゼ複合体の安定化に寄与している。