ケルセチンは細胞外小胞が介するVEGFR2のmRNAの移行を減少して、腫瘍血管内皮細胞と肝細胞癌細胞とのクロストークを阻害する
Quercetin inhibits endothelial & hepatocellular carcinoma cell crosstalk via reducing extracellular vesicle-mediated VEGFR2 mRNA transfer
- 出典:
- Molecular Carcinogenesis
- 2024
- 63
- 2254-2268
- DOI:
- 10.1002/mc.23807
- 要旨:
- 循環腫瘍細胞とは、腫瘍組織から切り離されて血流中を移動する癌転移の要因である。肝細胞癌患者から採取した循環腫瘍細胞、すなわち肝細胞癌由来の循環腫瘍細胞において、VEGFR2をコードするmRNAが腫瘍血管内皮細胞から細胞外小胞を介して移行した。しかし、VEGFR2のmRNAの腫瘍血管内皮細胞から循環腫瘍細胞への移行は、ケルセチンが阻害した。大元の肝細胞癌細胞にてケルセチンは、mRNAと蛋白質の両方のレベルでVEGFR2の発現を減少する。従って、下流にて移行するmRNAの絶対数が不足することになる。