ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ワサビノキ(Moringa oleifera)由来のルチンは、マッシュルーム(Agaricus bisporus)由来のチロシナーゼを潜在的に阻害する: 阻害の分子動力学による解明

Rutin of Moringa oleifera as a potential inhibitor to Agaricus bisporus tyrosinase as revealed from the molecular dynamics of inhibition

要旨:
チロシナーゼは真核生物におけるメラニン合成や果実の褐色化に関与する酵素であり、チロシナーゼの過剰な活性化は色素沈着の原因となる。ワサビノキ(Moringa oleifera)葉抽出物は濃度依存的にチロシナーゼを阻害し、IC50値は98.93 μg/mLであり、ポジコンに用いたコウジ酸のIC50値88.92 μg/mLと同等であった。各種スペクトルスコピーは、抽出物より単離した活性成分をルチンと同定した。分子ドッキングが算出したチロシナーゼとの結合エネルギーは、ルチンが−7.75 kcal/mol、コウジ酸が−4.69 kcal/molであった。ルチンは、活性部位の3カ所(Asn260・His259・Ser282)と相互作用を示した。