ケルセチンは鼻粘膜の炎症と上皮細胞のアポトーシスを阻害して、鼻ポリープのない慢性副鼻腔炎の進行を緩和する
Quercetin Alleviates the Progression of Chronic Rhinosinusitis Without Nasal Polyps by Inhibiting Nasal Mucosal Inflammation and Epithelial Apoptosis
- 出典:
- Molecular Biotechnology
- 2024
- 66
- in press
- DOI:
- 10.1007/s12033-024-01269-5
- 要旨:
- Vivo: 黄色ブドウ球菌で惹起した、鼻ポリープのない慢性副鼻腔炎のモデルマウスにケルセチンを投与した。ケルセチンはIL-1β・IL-6・IL-4の転写と放出を抑制して、マウスの粘膜炎症を軽減した。粘膜組織にてケルセチンは、XBP1を介したHIF-1α/wnt/β-カテニン軸の活性化を抑制した。XBP1が過剰発現したマウス(レンチウィルスを使用)では、ケルセチンの抗炎症作用が打消され、慢性副鼻腔炎の症状が悪化した。Vitro: 鼻ポリープのない慢性副鼻腔炎の患者から採取した鼻上皮細胞は、通常の同細胞に比べてXBP1が過剰発現していた。XBP1の活性化は、鼻上皮細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを増大した。同時に、HIF-1α/wnt/β-カテニン軸の活性化も見られた。