肺癌にケルセチンを送達するpH感受性Eudragit L-100ナノ粒子製剤の設計と物性評価
Formulation and Characterisation of pH-Sensitive Eudragit L-100 Nanoparticles for Quercetin Delivery in Lung Carcinoma
- 出典:
- Tropical Journal of Natural Product Research
- 2024
- 8
- 8081–8086
- DOI:
- 10.26538/tjnpr/v8i8.23
- 要旨:
- 非小細胞肺癌細胞にケルセチンを送達すべく、Eudragit L100ナノ粒子をキャリアーに用いるナノ製剤を設計した。得られたナノ製剤の粒径は242.86±20.61 nmで、ゼータ電位は−18.2±2.97 mVであった。IRスペクトルにて確認したケルセチンとEudragit L100との間の水素結合が、ケルセチンの封入と放出に重要な役割を果していた。胃液の条件であるpH 1.2ではケルセチンの放出量は10~20%に留まり、腸液をシミュレーションしたpH 6.8では140時間以内にケルセチンの90%が放出され、ナノ製剤のpH感受性を認めた。ナノ製剤は、非小細胞肺癌細胞株NCI-H460の増殖を顕著に阻害した。