ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

芪苓白頭翁湯(Qiling Baitouweng Tang)に含まれるケルセチンによるJAK2/STAT3シグナル伝達の調節: びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対する有望な治療法

Modulating JAK2/STAT3 signaling by quercetin in Qiling Baitouweng Tang: a potential therapeutic approach for diffuse large B-cell lymphoma

要旨:
芪苓白頭翁湯(Qiling Baitouweng Tang)は中医学にてびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の治療に用いられているが、その作用メカニズムを初めて明らかにした。LC‒MS/MSにて同定した芪苓白頭翁湯の構成成分14種を分子ドッキングにて、JAK2との親和性を検証した。その結果、有効成分をケルセチンと特定した。DLBCL細胞株U2932にケルセチンを投与すると、細胞周期のG2/M期を停止して、増殖を阻害した。U2932を移植したマウスモデルにケルセチンを投与すると、用量依存的に腫瘍組織の成長を阻害した。ケルセチンはJAK2を阻害して、JAK2/STAT3シグナル伝達を抑制した。