ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ネットワーク薬理学と分子ドッキングが明らかにした、ケルセチンによる脳内出血の治療メカニズム

The mechanism of quercetin in treating intracerebral hemorrhage was investigated by network pharmacology and molecular docking

要旨:
各種データベースから取得した、ケルセチンと脳内出血に共通する遺伝子は197種であった。遺伝子オントロジー解析による濃縮された生物学的プロセスは、異物刺激に対する応答・アポトーシスの抑制・遺伝子発現の促進が上位3項目であった。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)解析は、ケルセチンの標的として癌に関連した経路・脂質およびアテローム性動脈硬化症の経路・AGE/RAGE経路を特定し、コア蛋白質はTP53・STAT3・AKT1・SRC・JUN・TNF・IL-6の7種を特定した。コア蛋白質とケルセチンとの親和性を分子ドッキングで検証した結果、SRC(−8.7 kcal/mol)・STAT3(−8.1 kcal/mol)・IL-6(−7.1 kcal/mol)が上位3項目であった。