ネットワーク薬理学・メタボロミクス解析・分子ドッキングの統合が明らかにした、ケルセチンによる脂質異常症の治療メカニズム
Integrated network pharmacology, metabolomics and molecular docking analysis to reveal the mechanisms of quercetin in the treatment of hyperlipidemia
- 出典:
- Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis
- 2025
- 252
- 116507
- DOI:
- 10.1016/j.jpba.2024.116507
- 要旨:
- ネットワーク薬理学とDARTSアッセイ(drug affinity responsive target stability, 小分子が結合した蛋白質を知る手段)を併用して、脂質異常症におけるケルセチンの標的を探索した。その結果、AKT1・TNF・VEGFA・mTOR・SREBP1・SCDの6種が標的蛋白質であり、分子ドッキングも高い親和性を示した。HepG2細胞をパルミチン酸で刺激した脂質異常症の細胞モデルでは、リン酸化したmTOR・SREBP1・リン酸化したAKT1の発現が上昇したが、ケルセチンの投与で逆転した。従って、ケルセチンの作用メカニズムをAKT/mTOR/SREBP1の調節と結論した。