多糖類を基盤とする注射用ヒドロゲルへのケルセチン添加は、炎症を軽減して瘢痕を残さない火傷の治癒を実現する
Polysaccharide-Based Injectable Hydrogel Loaded with Quercetin Promotes Scarless Healing of Burn Wounds by Reducing Inflammation
- 出典:
- Biomacromolecules
- 2024
- 25
- 7529–7542
- DOI:
- 10.1021/acs.biomac.4c01276
- 要旨:
- 火傷の治療を念頭に置き、多糖類を基盤とする注射用ヒドロゲルにケルセチンを配合した。キトサンと酸化体アルギン酸(過ヨウ素酸酸化で得られるアルデヒド)はSchiff塩基を形成して、従来存在する静電気相互作用とSchiff塩基とでより強力なネットワーク構造を構築した。ケルセチンを添加すると、水素結合を介してヒドロゲルのネットワークに取込まれた。ケルセチンがヒドロゲルより放出されると、大腸菌および黄色ブドウ球菌に抗菌活性を示し、RAW264.7マクロファージのIL-6とTNF-αを減少した。第2度熱傷のモデルラットにて、ヒドロゲル製剤は感染を抑制し、炎症を軽減し、血管新生とコラーゲン沈着を促進した。最終的には瘢痕の形成を最小限にして、火傷を治癒した。