韃靼そばデンプン-ルチン-水酸化カルシウム複合体の、物理化学的・構造的・消化的特性と相互作用のメカニズム
Physicochemical, structural, digestive properties, and interaction mechanism of Tartary buckwheat starch-Rutin-calcium hydroxide complex
- 出典:
- International Journal of Biological Macromolecules
- 2024
- 282
- 137269
- DOI:
- 10.1016/j.ijbiomac.2024.137269
- 要旨:
- デンプンとルチンが豊富な韃靼そばの製麵加工時には、水酸化カルシウムを添加して品質の向上を図る。そこで、韃靼そばデンプン-ルチン-水酸化カルシウム3成分系の物性に関する基礎研究を行った。顕微鏡観察の結果、ルチンの濃度が高くなると3成分系複合体のゲル壁にルチン粒子が沈殿し、水酸化カルシウムがない場合はより顕著な傾向を示した。ルチンはゲル化粘度を低下したが、水酸化カルシウムは粘度とゲル構造の低下を軽減した。分子動力学シミュレーションは、ルチンとデンプンが水素結合と疎水性相互作用を形成し、水酸化カルシウムが構造を安定化することを示唆した。