ネットワーク薬理学・分子ドッキング・in vivoおよびin vitro実験に基づく、人参栄養湯(Renshen Yangrong Decoction)の結腸癌の抑制効果
Study on the anti-colon cancer effect of Renshen Yangrong Decoction based on network pharmacology, molecular docking, and in vivo and in vitro experiments
- 出典:
- Chinese Journal of Analytical Chemistry
- 2024
- 52
- 100464
- DOI:
- 10.1016/j.cjac.2024.100464
- 要旨:
- 中医学にて結腸癌の治療に人参栄養湯(Renshen Yangrong Decoction)を用いるが、その作用メカニズムをネットワーク薬理学で検証した。各種データベースから取得した、人参栄養湯と結腸癌に共通する遺伝子は88種であった。遺伝子オントロジー解析は、人参栄養湯の抗癌作用は酸化、特に活性酸素種との関連を示した。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)解析の結果、コア蛋白質をESR1・NCOA2・RXRA・MAPK14・HSP90AA1と特定し、標的経路はPI3K/AKTシグナル伝達を示唆した。人参栄養湯の成分の中でコア蛋白質5種全てと−7 kcal/mol以下の高い親和性を示した化合物は、イソラムネチン・ケルセチン・ケンフェロールであった。ヒト由来結腸癌細胞株SW620に人参栄養湯を投与すると、細胞内の活性酸素種を上昇しミトコンドリア膜電位を低下して、増殖と遊走を阻害した。