ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンの抗うつ効果と一酸化窒素の調節: 社会的に孤立したマウスの前臨床研究

Exploring the anti-depressant effects and nitric oxide modulation of quercetin: A preclinical study in Socially Isolated mice

要旨:
社会的な孤立ストレスで惹起したうつ病のモデルマウスに、ケルセチンを投与した(10, 20, 40 mg/kg)。ケルセチンは用量依存的に強制水泳試験・オープンフィールド試験・スプラッシュ試験のスコアを改善してうつ様行動を軽減すると共に、海馬中の一酸化窒素を低下して酸化ストレスを軽減した。一酸化窒素合成阻害剤であるL-NAME 5 mg/kgとの共投与は、ケルセチンが10 mg/kg(単独投与では無効レベル)でも、強制水泳試験とスプラッシュ試験にて有効性を示した。興味深いことに、一酸化窒素の前駆体であるL-アルギニン 5 mg/kgとの共投与は、ケルセチンが最大用量の40 mg/kgの場合に限り、強制水泳試験のスコアを改善した。