ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはSIRT1/HMGB1シグナル伝達を介したミクログリアM1/M2分極バランスの再調整にて、新生児の低酸素性虚血性脳障害を軽減する

Quercetin alleviates neonatal hypoxic-ischaemic brain injury by rebalancing microglial M1/M2 polarization through silent information regulator 1/high mobility group box-1 signalling

要旨:
生後7日の新生児低酸素性虚血性脳症のモデルマウスにケルセチンを投与すると、モリスの水迷路・ロータロッド試験・棒よじ登り試験の各スコアを改善した。低酸素性虚血性脳症に伴う脳損傷と海馬のニューロン損失は、ケルセチンが軽減した。別途実施したBV-2細胞を用いるin vitro実験にて、ケルセチンはHMGB1の核移行を抑制してM2極性化を促進したが、SIRT1阻害剤の存在下ではケルセチンの効果が打消され、SIRT1/HMGB1シグナル伝達を調節する作用メカニズムを示唆した。