バイオインフォマティクス解析と分子ドッキングの結果、イソラムネチンは肺動脈性肺高血圧症の治療薬候補化合物である
Bioinformatic Analysis and Molecular Docking Identify Isorhamnetin Is a Candidate Compound in the Treatment of Pulmonary Artery Hypertension
- 出典:
- The Anatolian Journal of Cardiology
- 2024
- 28
- in press
- DOI:
- 10.14744/AnatolJCardiol.2024.4723
- 要旨:
- 各種データベースより取得した、肺動脈性肺高血圧症における上方調節遺伝子は1962種、下方調節遺伝子は642種であった。遺伝子オントロジー解析の結果、前者にはDNA 損傷応答・有糸分裂細胞周期・染色体構成が生物学的プロセスに含まれており、後者には成長因子刺激に対する細胞応答・成長因子への応答・血管発達が含まれていた。一方、イソラムネチンの標的遺伝子は58種であり、その中でVEGFR・VEGFの関連転写因子であるATMおよびZNF24・フェロトーシス蛋白質のNFE2L2に差次的発現を認めた。分子ドッキングの結果、イソラムネチンはこれらのコア蛋白質と高い親和性を示した。算出された結合エネルギーは以下の通り; VEGFR: −6.51 kcal/mol、ATM: −7.88 kcal/mol、ZNF24: −6.88 kcal/mol、NFE2L2: −6.87 kcal/mol。