ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチン-鉄錯体は間葉系幹細胞を介した肝細胞増殖因子の分泌とc-Metの活性化を促進し、尿細管細胞のアポトーシスを予防して、急性腎障害を軽減する

Iron-Quercetin complex enhances mesenchymal stem cell-mediated HGF secretion and c-Met activation to ameliorate acute kidney injury through the prevention of tubular cell apoptosis

要旨:
シスプラチンで惹起した急性腎障害のモデルマウスに、間葉系幹細胞(MSCs)を静脈注射した。MSCsはケルセチン-鉄錯体による前処理の有無を比較した。3日後の腎機能・腎組織の損傷・尿細管細胞のアポトーシスを顕著に改善したのは、ケルセチン-鉄錯体の処置をしたMSCsを注射したマウスであった。同様の結果はマウス由来尿細管上皮細胞でも見られ、ケルセチン-鉄錯体で処置したMSCsは、シスプラチンで刺激した同細胞にてアポトーシスを抑制した。MSCsにてケルセチン-鉄錯体は、肝細胞増殖因子(HGF)の分泌を促進し、HGF/c-Metシグナル伝達を活性化した。