ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

糖尿病治療薬として期待できる、ムラサキフトモモ由来ルチンのα-グルコシダーゼ阻害活性: in silicoおよびin vitro研究

In Silico and In Vitro Studies of Rutin from Syzygium cumini (L.) Skeels. var. album as an Antidiabetic α-Glucosidase Enzyme Inhibitor

要旨:
ムラサキフトモモ(紫蒲桃、Syzygium cumini)は、伝統医療で糖尿病の治療に利用されている。その有効成分を解明すべく、ムラサキフトモモの葉および樹皮を70%エタノールで抽出し、ヘキサン・酢酸エチル・ブタノール・水の画分に分割した。α-グルコシダーゼの阻害を活性指標として、カラム精製にて得た化合物のスペクトルデータは、ルチンと一致した。得られたルチンのα-グルコシダーゼに対するIC50値は48.36±0.4 μg/mLであり、既存糖尿病であるアカルボースの45.84±0.27 μg/mLと同等であった。分子ドッキングの結果、ルチンはα-グルコシダーゼと−3.17 kcal/molの高い親和性を示した。