皮膚疾患の治療薬としてのケルセチン: 抗酸化作用・酸化ストレス・炎症・創傷治癒・色素沈着症・老化・皮膚癌に関するシステマティックレビューとメタ解析
Quercetin as a therapeutic agent for skin problems: a systematic review and meta-analysis on antioxidant effects, oxidative stress, inflammation, wound healing, hyperpigmentation, aging, and skin cancer
- 著作名:
- Tia Okselni
- Abdi Wira Septama
- Dian Juliadmi
- Rizna Triana Dewi
- Marissa Angelina
- Tri Yuliani
- Grace Serepina Saragih
- Ariyanti Saputri
- 出典:
- Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology
- 2025
- 398
- in press
- DOI:
- 10.1007/s00210-024-03722-3
- 要旨:
- 各種データベースを検索して得た、ケルセチンの皮膚疾患を改善した動物実験の論文1,398件の内、PRISMAガイドラインの要件を満たした65件を対象にシステマティックレビューとメタ解析を行った。ケルセチンの抗酸化作用は、マロンジアルデヒド(Zスコア: 2.51、以下カッコ内はZスコア)・活性酸素種(3.81)・過酸化脂質(4.46)を低減し、グルタチオン(5.46)・カタラーゼ(5.20)・SOD(4.37)を増大した。ケルセチンの抗炎症作用はIL-4(3.16)とインターフェロンγ(3.76)を減少した。ケルセチンによる炎症細胞の減少(5.60)と、線維芽細胞(5.98)・上皮化(8.57)・コラーゲン産出(4.20)の促進およびVEGF(3.86)の上昇による血管新生の活性化は、創傷治癒に寄与した。ケルセチンはまた、チロシナーゼを阻害(1.95)し、メラニンを低減(2.56)し、悪性黒色腫のDNA損傷(3.27)と増殖阻害(2.97)にて色素沈着症と皮膚癌の改善に寄与した。