ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アトピー性皮膚炎様の病変におけるケルセチン配糖体の局所的な抗炎症作用: 糖の種類が効能と皮膚吸収に与える影響

Topical Anti-Inflammatory Effects of Quercetin Glycosides on Atopic Dermatitis-Like Lesions: Influence of the Glycone Type on Efficacy and Skin Absorption

要旨:
THP-1細胞のマクロファージへの分化を、アトピー性皮膚炎が誘発した炎症の細胞モデルとした。イソケルシトリンの投与は炎症メディエーター(IL-6・RANTES)の分泌を抑制したが、ケルセチンとルチンには効果がなかった。好塩基球様細胞株RBL-2H3のヒスタミン放出の抑制作用は、イソケルシトリンとルチンに比べると、ケルセチンでは弱かった。皮膚吸収試験では、ルチンよりもイソケルシトリンとケルセチンが良好な結果を示し、親油性の高さが有利に働くことを示唆した。従って、アトピー性皮膚炎の治療薬候補としては、イソケルシトリンが最も適していた。ジニトロクロロベンゼンで惹起したアトピー性皮膚炎のモデルマウスにイソケルシトリンを塗布すると、炎症を抑制して、病変を大幅に改善した。