ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチン-鉄(III)錯体: 新規MRI造影剤のin vivo急性毒性と体内分布

Iron(III)–Quercetin Complex: In Vivo Acute Toxicity and Biodistribution of Novel MRI Agent

要旨:
ケルセチン-鉄錯体は鉄(III)イオン1個とケルセチン2分子で構成する、磁気共鳴画像診断(MRI)における新規造影剤として期待されている。ケルセチン-鉄錯体の急性毒性と体内分布を検証すべく、鉄相当で75, 150, 225 μmol/kgとなるように、錯体をラットに静脈注射した。その結果、死亡・罹患・重大な生化学的な変化はなく、組織病理学検査では臓器障害を認めなかった。投与後1.1時間で血中の鉄濃度がピークに達し、24時間以内に消失した。MRIでは、特に肝組織と腎組織の信号強度を増強した。