ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

HPTLC・in vitroスクリーニング・分子ドッキング・ネットワーク薬理学による、Ilex umbellulata樹皮に含まれるケルセチンの分析と抗マラリア活性の評価

Pharmacognostic analysis and antimalarial evaluation of quercetin in Ilex umbellulata bark using HPTLC, in vitro screening, molecular docking, and network pharmacology

要旨:
Ilex umbellulata (東南アジアに自生するモチノキ科の植物)の樹皮は、マレーシアの伝統医学でマラリアに治療に用いられている。Ilex umbellulata樹皮の80%エタノール水抽出物100 mgから、主成分として2.07 mgのケルセチンを単離した。熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に対するケルセチンのIC50値は、3.88±0.35 μMであった。分子ドッキングの結果、ケルセチンは熱帯熱マラリア原虫で高発現する蛋白質の内、20種類と相互作用した。ネットワーク薬理学の解析結果は、ケルセチンによるIL-4・IL-10・IL-13の抑制に基づく抗炎症作用を示唆した。