ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

非標的メタボロミクスが明らかにした、更年期うつのモデルラットにおける、ケルセチンによる副腎代謝障害の改善と視床下部-下垂体-副腎系(HPA axis)の調節

Untargeted metabolomics revealed that quercetin improved adrenal gland metabolism disorders and modulated the HPA axis in perimenopausal depression model rats

著作名:
Ziran Yu
Chenlu Feng
Ying Chen
Weidi Wang
Xiujuan Zhao
出典:
The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology
2025
248
106696
DOI:
10.1016/j.jsbmb.2025.106696
キーワード:
更年期うつ
ラット
メタボロミクス解析
副腎代謝
視床下部-下垂体-副腎系
TrkB/BDNF
ケルセチン
17β-エストラジオール
動物実験
要旨:
スクロース嗜好試験にてスコアの差がないことを確認したメスラットを、以下の4群に分けた。Sham群、更年期うつのモデル群、更年期うつ+ケルセチン(50 mg/kg)投与群、更年期うつ+17β-エストラジオール(0.27 mg/kg)投与群。メタボロミクス解析の結果、更年期うつ群にて計22種の代謝産物を特定し、ステロイドホルモン生合成・アラキドン酸代謝・リノール酸代謝の副腎代謝の異常を見出した。Spearmanの相関解析にて、これらの代謝産物はうつ様行動との強い相関を認めた(P<0.01)。また、更年期うつ群の視床下部ではTrkB/BDNFシグナル伝達経路の異常が見られ、視床下部-下垂体-副腎系が更年期うつに重要な役割を果たしていた。うつ様行動・副腎代謝の異常・TrkB/BDNFの異常は、ケルセチンもしくは17β-エストラジオールにより軽減した。