ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ヒト腸内細菌のスクリーニングによる、ケルセチンを抗癌特性を持つ代謝物に変換する種の特定

Screening of Human Gut Bacterial Culture Collection Identifies Species That Biotransform Quercetin into Metabolites with Anticancer Properties

要旨:
ケルセチンを抗癌活性の強い抗癌活性に変換できる菌を探索すべく、ヒト由来抗癌活性94種類をスクリーニングした。その結果、Bacillus glycinifermentansとFlavonifractor plautiiが有望であった。前者はケルセチンを、癌細胞の増殖を阻害する2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸および3,4-ジヒドロキシ安息香酸に変換した。後者はケルセチンを、ヒト由来結腸腺癌細胞株HCT-116のコロニー形成を阻害する3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸に変換した。コロニー形成阻害作用は、培養液の上清にも見られ、菌体の代謝産物による作用を示唆した。よって、B. glycinifermentansとF. plautiiは、健康を増進するプロバイオティクスとして期待できる。