ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

有望なハーブのヌートロピック素材の開発: 研究室から臨床へ

Development of a Herb-Based Dietary Ingredient with Potential Nootropic Properties: From Bench to Bedside

要旨:
Vitro: 9種のハーブ抽出物(ビルベリー・ブルーベリー・バコパ・セージ・サフラン・ウラル甘草・イチョウ・人参・ゴツコラ)とルチンとの混合物は、アセチルコリンエステラーゼを阻害し、ヒト神経幹細胞にて脳由来神経栄養因子を増大した。臨床: 50~65歳の軽度認知障害を含む健常者121名を対象とする、上記のハーブ抽出物とルチンとの混合物のヌートロピック効果を検証した臨床研究。無作為化・二重盲検・プラセボ対照で実施した。被検者を3群に分け、低用量群40名は混合物250 mg/dayを、高用量群39名は混合物400 mg/dayを、プラセボ群42名はプラセボを、それぞれ12週間摂取した。認知機能の評価指標には、アルツハイマー病評価尺度-認知サブ尺度(Alzheimer’s disease assessment scale-cognitive subscale, ADAS-Cog)およびモントリオール認知尺度(Montreal cognitive assessment, MoCA)の2種類を採用した。ADAS-Cogは単語想起の項目で、低用量群および高用量群がプラセボ群に有意差(ともにP<0.005)を示した。MoCAは短期間記憶想起の項目で、低用量群がプラセボ群に有意差(P<0.05)を示した。よって、混合物は記憶関連とりわけ記憶想起の機能を有する、有望なヌートロピック素材である。