グリチルリチン酸で安定化するケルセチンのナノ結晶にて、肝組織にケルセチンを標的送達する: グリチルリチン酸濃度の影響
Quercetin nanocrystals stabilized by glycyrrhizic acid for liver targeted drug delivery: Impact of glycyrrhizic acid concentrations
- 出典:
- Pharmaceutical Development and Technology
- 2025
- 30
- in press
- DOI:
- 10.1080/10837450.2025.2498370
- 要旨:
- メディアミリング法により、グリチルリチン酸とケルセチンから成るナノ結晶を調製した。グリチルリチン酸の濃度は10, 20, 40% (w/w)の3通りにおいて、得られた粒径はいずれも200 nmであった。X線粉末回折の結果、3種とも結晶状態であったが、グリチルリチン酸の濃度の増加に伴い結晶度が低下した。ナノ結晶の静脈注射における薬物動態は(使用動物不明)、グリチルリチン酸10%におけるケルセチンの血中濃度時間曲線下面積(AUC)が20%の時より有意に高かった点を除き、各種パラメータに差を認めなかった。静脈注射から5分以内にケルセチンは肝組織に急速に移行し、肝中蓄積量は40% > 20% > 10%の順序であった。