カドミウムがラットに誘発した海馬障害におけるケルセチンの神経保護効果の解明: 鍵メカニズムとしてのPPARγの活性化
Unlocking the Neuroprotective Effect of Quercetin Against Cadmium-Induced Hippocampal Damage in Rats: PPARγ Activation as a Key Mechanism
- 要旨：
- 塩化カドミウムを投与したラットは、モリスの水迷路と新奇探索試験のスコアが低下して、記憶障害を呈した。海馬組織では抗酸化物質・Nrf2・脳由来神経栄養因子・アセチルコリンが減少し、炎症サイトカインは上昇した。この様な異常は、ケルセチンもしくはPPARγ作動薬であるピオグリタゾンの投与で逆転した。一方、ケルセチンとPPARγ拮抗薬の共投与は、ケルセチンの海馬保護効果を打ち消した。よって、ケルセチンの作用メカニズムにはPPARγの活性化が含まれる。