ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における、ケルセチンの経口投与が炎症および酸化ストレスマーカーへ及ぼす影響

Effect of Oral Treatment with Quercetin on Inflammatory and Oxidative Stress Markers in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease

要旨:
一年に10パック以上の喫煙歴があり、血中のC反応性蛋白質が3.0 mg/L以上の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における、ケルセチンの効果を検証した治験第II相。被験者14名を1:2の比率で、プラセボ群とケルセチン経口投与群に無作為に割り付けた。後者は、ケルセチン2000 mg/dayを6カ月間服用した。治療期間の前後で、血液と気管支肺胞洗浄液(BALF)とを検査した。ケルセチン群はプラセボ群に比べて顕著に、血中の肺サーファクタント蛋白質Dが減少し、BALF中のIL-8・IL-1β・8-イソプロスタンが減少した。しかし、血中のC反応性蛋白質は両群間で差を認めなかった。よって、2000 mg/dayの経口投与は、COPD患者の酸化ストレスと炎症を緩和する。