ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンは冠動脈疾患の男性患者における血管の老化と炎症を軽減するが、女性患者には有効ではない

Quercetin Reduces Vascular Senescence and Inflammation in Symptomatic Male but Not Female Coronary Artery Disease Patients

要旨:
67.0±1.0歳の冠動脈疾患の患者を対象とする、ケルセチン摂取の血管への影響を検証した臨床研究。無作為化、二重盲検で実施した。冠動脈バイパスの移植手術を受ける患者97名(内、男性78名)をランダムに47名と50名に分け、手術の2日前から退院までの期間にケルセチン(1回500 mgを1日2回)もしくはプラセボをそれぞれ摂取した。退院時の血中C反応性蛋白質は、ケルセチン群に低減の傾向(P=0.073)があったが、有意差には至らなかった。本来は血管内皮を収縮すべきアセチルコリンが弛緩してしまう内皮機能不全は、ケルセチン群が有意に改善した(P=0.049)。しかし、サブグループ解析の結果は男性で改善を認めたが(P=0.043)、女性では改善されなかった(P=0.852)。