ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンを含むポリマーミセルはシスプラチンが誘発した腎毒性を軽減し、抗腫瘍効果を高める

Molecular pharmacokinetic mechanism of quercetin-encapsulated polymeric micelles in alleviating cisplatin-induced nephrotoxicity and enhancing antineoplastic effects

要旨:
シスプラチンで惹起した腎障害のモデルラットにケルセチンを含むポリマーミセルを投与すると、血中のクレアチニンと尿素窒素をそれぞれ42%と38%低減した。ポリマーミセルは腎組織のマロンジアルデヒドを低下し、SODは上昇して抗酸化作用を発揮した。ケルセチンは有機カチオントランスポーター2を阻害するため、腎組織におけるシスプラチンの蓄積を低減した。結腸直腸癌細胞株CT26を移植したマウスに、シスプラチンとポリマーミセル製剤との組合せを投与すると、対照やシスプラチンの単独投与時と比べて顕著に腫瘍組織の成長を抑制した。