ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アーモンド殻の脂質低下作用(ケルセチン・バイカレイン・ケンフェロール): ネットワーク薬理学と分子動力学からの洞察

Lipid-Lowering Potential of Almond Hulls (Quercetin, Baicalein, and Kaempferol): Insights from Network Pharmacology and Molecular Dynamics

要旨:
アーモンドの殻は食品加工の廃棄物であるが、ポリフェノールが豊富であり有効活用法が望まれる。アーモンド殻の酢酸エチル抽出物をLC-MS分析して、19個の生理活性物質を同定した。抽出物は膵リパーゼを阻害し、IC50値は204 μg/mLであった。ゆえに肥満抑制効果が示唆され、構成成分と肥満の遺伝子を各種データベースより取得して、共通する298種を基にネットワーク薬理学解析を行った。その結果、アーモンド殻はPI3K/AKT経路を標的として、インスリン抵抗性を改善することを予測した。19個の構成成分を対象に、分子ドッキングにてPI3KおよびAKTとの親和性を検証したところ、ケルセチン・バイカレイン・ケンフェロールが上位であり、有効成分と結論した。