ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンは、酸化体LDLで刺激したヒト末梢血単核細胞にてtoll様受容体(TLR)を介したプロテインキナーゼシグナル伝達経路を調節し、高コレステロール血症のラットにおいてはTLRが活性化したアテローム性動脈硬化症の炎症を制御する

Quercetin modulates toll-like receptor-mediated protein kinase signaling pathways in oxLDL-challenged human PBMCs and regulates TLR-activated atherosclerotic inflammation in hypercholesterolemic rats

要旨:
Vitro: 酸化体LDL(ox-LDL)で刺激したヒト末梢血単核細胞に、toll様受容体(TLR)拮抗剤・p38 MAPK阻害剤・ERK1/2阻害剤・JNK阻害剤を投与すると、NF-κBの核移行とTNF-αの放出を阻害した。これら4パターンの全てにおいて、ケルセチンの共投与はそれぞれの阻害活性を増強した。従ってケルセチンは、TLRとその下流にあるプロテインキナーゼシグナル伝達経路を阻害した。Vivo: 高コレステロール食で惹起したアテローム性動脈硬化症のモデルラットにケルセチンを投与すると、TLRの発現を下方調節し、TNF-αを低減した。